「営業にはどんなキャリアがあるの?」
「このままずっと営業したくない…どんなキャリアプランを設計すれば良いのか分からない…」
この記事はそんな悩みをお持ちの方向けに書いています。
私自身、新卒から営業職でキャリアを積んできましたが、上記の悩みを抱えていました。なんなら今も悩み続けています。
営業のキャリアは幅広いため、キャリアの方向性をコントロールしないと「気づいた時には思っていたキャリアと違う」という状況に陥ってしまいます。
この記事では、営業のキャリアプランの例やキャリアプランを作るポイントについて紹介します。
私のキャリアや2回の転職経験をもとに、事例も交えてお話したいと思います。
【この記事の要約】
- 営業のキャリアプランが必要な理由
- 営業のキャリアプランの考え方
- 営業のキャリアプランの例
- キャリアに迷ったときの打ち手
営業としてのキャリアのイメージがつき、今後のキャリアの方向性を考える参考になるはずです!
営業のキャリアプランを聞かれる理由
転職活動をしていると、様々な場面でキャリアプランについて聞かれます。
- 転職面接で面接官から聞かれる
- 企業とのカジュアル面談でフラットに聞かれる
- 転職エージェントとの面談でキャリアプランを深掘りされる
とくに選考時には必ずと言っていいほどキャリアプランを聞かれるはずです。
採用する企業側からすると、どんなに優秀な候補者でもキャリアプランによっては、採用を見送ることもあります。
なぜなら、自社で提供できるキャリアパスと候補者のキャリアプランがマッチしないと早期離職や入社後のモチベーション低下のリスクがあるからです。
上記以外にもいくつかの理由があり、本章で転職活動時にキャリアプランを聞かれる理由について解説していきます。
入社後にモチベーション高く働けるかを見極めるため
営業としてのキャリアプランを聞かれる理由として、【入社後にモチベーション高く働いてくれそうか】【成果を残してくれそうか】を確認するという目的が挙げられます。
営業の仕事は毎月数字に追われることが多く、モチベーションを維持するのが難しいこともあります。
そのため、キャリアプランを聞くことでモチベーションの有無を確認しています。
もちろん、モチベーションに波がなく安定した成果を残す人もいますが、キャリアに対してモチベーションがある人の方が「入社後に頑張ってくれそう」と思ってもらえるはずです。
反対に、キャリアに対してのモチベーションが見えなければ、「入社しても、モチベーションが低く活躍してくれなそう」と見受けられてしまうケースもあるでしょう。
営業としてどうなっていきたいかを自分なりの言葉で話せるようにしておくことが重要です。
入社後のミスマッチを防ぐため
営業としてのキャリアプランを聞かれる理由として、入社後のミスマッチを防ぐという目的もあります。
候補者がどんなに優秀で採用したいと思う人物でも、入社後に実現できないキャリアプランがあると採用を見送ることがあります。
例えば、「3年後に営業マネージャーを目指したい」という候補者がいたとします。転職先の企業にマネージャークラスの社員が多くマネジメントに上がれるか分からないとなると、入社後の早期離職やモチベーション低下につながってしまうかもしれません。
転職活動をしていると、どうしても内定をもらうためにキャリアプランを転職先の企業に寄せに行ってしまうこともあるでしょう。
しかし、あなた自身が今後どのようなキャリアを歩みたいか正直に伝えることが最も重要です。
【体験談】キャリアプランが合わず内定辞退
私自身、2回の転職を経てBtoBの新規営業としてキャリアを重ねてきました。
2回目の転職活動時、会社の雰囲気や業務内容等について理想的な企業から内定をもらいました。
営業としてキャリアを積んだあとは新規事業の立ち上げや事業開発に携わりたいと思っていましたが、内定をもらった企業では実現できそうになく、泣く泣く内定を辞退しました。
志望度の高い企業でしたが、中長期的にキャリアを考えると、自分の理想を実現できる可能性が低いとモチベーション低下につながってしまうと考え辞退しました。
営業としての成長意欲を確認するため
営業のキャリアプランを聞かれる理由として、成長意欲があるかを確認するという目的もあります。
とくに、20~30代という若手の営業職採用においては、経験が浅いポテンシャル層も積極的に採用する企業が多いです。
入社時点では営業経験が浅くても、成長意欲が高ければ活躍できそうという判断されます。
私が転職した2社とも、営業未経験の比率は50%程でしたが、未経験でも活躍する人はたくさんいました。
最近では、インサイドセールス・フィールドセールス・カスタマーサクセスと分業制の営業組織が多く、教育体制が整っている企業も増えています。
入社後にどうなりたいかというキャリアプランを提示することで、新しい環境でも意欲的に働ける人だというアピールにもなります。
営業のキャリアプランが重要な理由
前章では、選考対策としてキャリアプランの重要性を解説しました。
営業のキャリアプランを立てることはあなた自身のキャリア形成においても重要です。
営業のキャリアプランを立てるメリットについて解説していきます。
営業のキャリアは選択肢が広い
営業のキャリアの選択肢は多岐にわたります。
そのため、キャリアプランを立てておかないと望んでいないキャリアを歩んでしまう可能性があります。
営業として経験を積むと、マネジメントに上がっていくキャリアが一般的なイメージかと思いますが、マーケティングにキャリアチェンジしたり企画や新規事業開発にチャレンジしたりと、キャリアは様々です。
選択肢が広いが故に、キャリア迷子になってしまうリスクもあることを認識しておきましょう。
キャリアの方向性によって身に付けるべきスキルが異なる
営業からのキャリアには幅広い選択肢があり、ほれぞれ必要になるスキルがかわってきます。
例えば、マネジメントを目指したい人とマーケティングにキャリアチェンジしたい人では、伸ばすべきスキルや積んでおくべき経験が異なります。
あなたの理想のキャリアを実現するために、日々の営業活動の中でどのようなスキルを磨いていくべきか計画しておきましょう。
業界や規模感によってキャリアパスが左右される
転職先企業の事業フェーズによって、キャリアアップしていくスピード感が違えば、どのようなキャリアパスが歩めるかも違ってきます。
営業職といっても、上場している大手企業と従業員10名規模のスタートアップ企業では業務範囲が異なります。
前者であれば年功序列で役職が上がったり、後者であれば入社半年でマネジメントに上がったりすることもあるでしょう。
いつまでにどのようなキャリアを歩んでいたいのかを言語化し、あなたのキャリアプランを実現できる会社を選ぶことが重要です。
営業職キャリアプランの立て方
営業のキャリアプランを考える際、以下の3点がポイントです。
①理想の姿(=ゴール状態)
②現在地(=今のスキルセット)
③理想と現状を埋めるために必要なアクションプラン
それぞれについて具体的に解説していきます。
①理想の姿を考える
営業としてのキャリアプランを考える際、まずは将来の理想像を考えましょう。
- 将来はどのような仕事をしたいのか
- どのような暮らしをしたい
- 将来どのような人生を歩んでいたいのか
実現できそうかで考えるのではなく、上記のようにあなたの理想像を言語化していきます。
理想の人生像を考えることで、あなたのキャリアのゴールや目指すべき方向性が見えてきます。
反対に、理想像が何もなければ今何をすべきかが見えてこないため、20〜30代の貴重な時間を失うことになります。
まずは理想を考えていくことから始めていきましょう。
②現状を分析する
将来の理想像が見えてきたら、あなたの現在地を整理していきます。
例えば、
- 営業としてどのような経験を積み、どのようなスキルセットを持っているのか
- 自分の強みや弱身は何か?
- 理想に近づくために何が必要か?
上記のような観点で現状を分析していきます。
そうすることで、理想と現実のギャップを明確にしていきます。
私は3か月に一回職務経歴書を更新しています。キャリアの棚卸しにもなりますし、企業側からスカウトを受け取れるというメリットがあります。
現状の分析は定期的にすることをオススメします。
③アクションプランを考える
第一ステップとしてあなたの将来の理想像を考え、第二ステップとしてあなたの現在地を分析します。
そして、次のステップは、将来の理想像と現状のギャップを埋めるために、あなたが今後取るべきアクションプランを考えていきます。
将来の理想を、理想のままで終わらせないためには計画的に行動していく必要があります。
いつまでに何をすら必要があるかといった計画を立て、具体的なアクションに落とし込んでいきましょう。
例えば、「営業のプレイヤーからマネジメントに上がっていきたい」という理想像があっても、マーケティングにキャリアチェンジするためにどのようなスキルが必要か知らなければ、キャリアプランを実現することは難しいでしょう。
例えば、
- 営業戦略の立案やチーム施策の企画にチャレンジして経験を積む
- 3年後にマネージャーに昇進するために、毎月目標を120%達成する。そのために、ロープレや勉強会参加の回数を増やして営業スキルを高めていく
というように、将来の目標から逆算して取るべき行動を具体化していきましょう。
営業のキャリアの具体例
営業のキャリアプランは多岐に渡ります。
次の章からは営業のキャリア例を紹介していきます。
どのようなキャリアパスがあるかを知っておき、キャリアプランを立てる際の参考にしてみてください。
マネジメントに上がっていく
プレイヤーとして成果を残し、マネジメントに上がっていくキャリアです。
管理職としてチームの戦略を考えたりメンバーの育成を担っていきます。
私が経験した環境では、マネジメントを目指すためには、以下のどちらかのパターンに別れていました。
- 圧倒的な業績を残してマネジメントに昇進する等、成果が評価される
- チーム施策を回してチームの成果に貢献する等、定性面が評価される
会社によってマネジメントに上がる評価軸が変わるため、あなたがどちらを目指すかを考えておきましょう。
また、企業によってどのくらいの時間軸で昇進できるかも大きく異なります。
入社後3年で昇進できる企業もあれば、10年以上いないと昇進が難しいという企業もあるため、入社前に確認しておきましょう。
営業として業界を変えていく
営業という職種は変えずに、業界を変えてキャリアを積んでいくケースもあります。
営業職といっても、業界によって平均年収が変わりますし、会社によって評価制度・給与体系も異なるため、転職して年収アップを目指すことが可能です。
20〜30代の若手であれば事業拡大中のスタートアップ・ベンチャー企業等に転職して、さらなる経験を積み市場価値を上げていくこともできます。
とくに無形商材の法人営業は市場価値を上げやすいと言われています。課題解決のスキルを身に付けやすいと言われています。
汎用性の高い課題解決のスキルを活かして、別業界にキャリアチェンジすることが可能です。
専門性を高めていく
営業職のキャリアの一つとして、営業としての専門性を高めていくキャリアもあります。
営業スキルを高めていくか業界に特化して専門性を高めていくパターンがあります。
例えば、
- 新規顧客の開拓や新サービスの売り方を作っていく等、新規開拓営業の専門性を高めていく
- 製造業向けの商材の営業経験を積み、製造業特化の営業として活躍する
というように、営業としていずれかの分野の専門家としてキャリアを歩んでいきます。
私の会社ではインサイドセールスを1年ほど経験して異動するケースが多いですが、インサイドセールスのスペシャリストとしてキャリアを積んでいる方もいます。
ただし、専門性が高くなるため、別の領域へのキャリアチェンジは難しくなってしまうかもしれません。
分業制の営業職にキャリアチェンジする
営業職といっても、企業規模や業界によって業務内容は変わってきます。
最近ではSaaS業界を中心に分業制の営業組織が増えています。
分業制の営業組織では、主に以下3つの営業職があります。
- インサイドセールス
- フィールドセールス
- カスタマーサクセス
インサイドセールスは、電話やメールを活用して非対面で顧客に対して営業活動をおこなうポジションで、アポイント獲得までを担うケースが多いです。
インサイドセールスが獲得したアポイントをフィールドセールスが商談対応し、受注までを担当します。
受注後に継続的に使ってもらうために、顧客に伴走支援するポジションがカスタマーサクセスです。
分業制の営業組織は増えているため、インサイドセールス・フィールドセールス・カスタマーサクセスそれぞれの需要は今後も高まっていくでしょう。
マーケティングにキャリアチェンジする
営業職からマーケティング職にキャリアチェンジするプランもあります。
とくに若手の営業職はマーケティング職に憧れのある方も多いのではないでしょうか?
私も第二新卒で転職した際はマーケティング職も受けていました。(結局、法人営業で経験を積むという選択をとりました)
マーケティングといっても、様々な仕事がありますが、ミッションとしては売れる仕組みを作ることです。
営業職として戦略立案等の上流の経験があれば、マーケティングにキャリアチェンジしやすいでしょう。
ただし、誰でも営業からマーケティングにキャリアチェンジできるわけではありません。
マーケティングには専門的な知識やスキルが必要なため、未経験からチャレンジするハードルが高いです。
ベンチャー企業やスタートアップの企業で兼任するケースも多いため、若手の営業からマーケティングにチャレンジしたいなら狙っていくと良いでしょう。
独立する
営業職として独立するキャリアプランもあります。
会社員として営業経験を積んだ後、起業するかフリーランスとして活躍するパターンです。
自分でサービスを作り経営者になったり、フリーランスとして業務委託で営業をおこなうケースがあります。
とくに営業代行の市場は伸びているため、営業ができる人材の需要は高まっています。
私も以前に、営業代行の会社で働いていましたが、正社員採用だけでなく業務委託での採用もかなり力を入れていた印象がありました。
面接で営業のキャリアプランを答える際の注意点
営業のキャリアプランを伝える際、以下の点に注意しましょう。
- 原体験を交えて一貫性のあるプランを話す
- 志望動機とキャリアプランに整合性を持たせる
それぞれについて解説していきます。
原体験を交えてキャリアプランを伝える
面接でキャリアプランを話す際のポイントとして、今までどのようなキャリアを歩み、今後どのようなキャリアを歩みたいかに一貫性を持たせることが重要です。
キャリアプランは将来の話が中心になりますが、理想論だけ話してしまうと「本当にそのキャリアを実現したいのか?」と説得力に欠けてしまいます。
例えば、「これまでは新規顧客に対して受注までを担当してきました。顧客の課題に対して導入までしか支援することができないことにもどかしさを感じており、カスタマーサクセスとしてサービス導入後の伴走支援にチャレンジしたいと思っています」
というように、あなたの原体験に基づいてキャリアプランを伝えることで説得力が増します。
理想論だけ語っていて熱意が見えてこないと評価されないように、一貫性を持たせるようにしましょう。
志望動機とキャリアプランに整合性を持たせる
キャリアプランを伝える際のポイントとして、なぜその会社でなければならないのかをキャリアプランに絡めて伝えましょう。
ここで私の失敗談を話します。
第二新卒で営業職で転職活動をしていた際、「無形商材の営業経験を積んで市場価値を上げたい」という話をよくしていました。
ある企業との面接で、「それってうち(面接を受けている企業)じゃなくても良いよね?入社直後は頑張ってくれそうだけど、数年経験を積んだら他社へ転職しそうだよね」と面接官に言われたことがあります。
というのも、企業側は採用する際には、長く働いてくれるのか・入社後に活躍できそうなのかという観点で選考しています。
また、あなたのキャリアプランや入社後に実現したいことと、会社の方向性がマッチしているかも重要なポイントになります。
あなたがどれだけ優秀な人材でも、会社の方向性とあっていないキャリアプランを話してしまうと「自社では実現できないキャリアプランだから、採用を見送ろう」と判断されてしまいます。
営業として将来何を実現したいのかや、なぜその会社でなければならないのかを整理して伝えましょう。
キャリアに迷った方へ
営業職のキャリアプランについて解説してきましたが、一人でキャリアプランを考えるのは難しい方もいるでしょう。
私自身、キャリアプランを考える際は社内・社外の人に相談したり壁打ちしてもらったりしていました。
キャリアに迷った方は以下の方法を試してみてください。
- 社内の人に相談する
- キャリアコーチングを活用する
- 転職エージェントに登録する
社内の人に相談する
キャリアに悩みがある人は、上司やキャリア相談室等に相談してみると良いでしょう。
社内にはあなたと同じような悩みを相談する人も少なからずいるはずですし、上司や人事担当者はそういった相談に乗ってきているはずです。
あなたの悩みに対しての理解が深く、親身になってアドバイスをくれるでしょう。
また、キャリアの棚卸をしてくれたり、社内で実現できることについてアドバイスをくれることもあるはずです。
ただし、社内の人に相談する場合、基本的には社外でのキャリア形成を勧めることはないため、社外にも目を向けることが重要です。
キャリアコーチング
キャリアに迷ったらキャリアコーチングを活用するという手もあります。
キャリアコーチングは、外部の専門家があなた専任でキャリアについて相談に乗ってくれます。
外部の専門家という位置付けのため、客観的なアドバイスがもらえます。
また、転職するしないに関わらず、キャリアに関する悩みに対してアドバイスをくれます。
キャリアコーチングはサービスによって特徴がありますが、以下をメインにサポートしてくれることが多いです。
・自己分析のサポートによる自己理解の深化
・将来の理想像の言語化
・将来の目標に対してのアクションプラン設計
「キャリアプランがぼんやりしている人」や「キャリアについて悩みがあるけど、何から手をつければ良いか分からない」という方におすすめです。
ただし、有料サービスになる点には注意が必要です。
転職エージェント
転職エージェントは、転職活動している人に向けのサービスで、キャリアプランの整理や求人紹介等をおこなってくれます。
具体的な支援内容としては、以下がメインです。
- 求人紹介
- 職務経歴書の添削
- 面接対策
職務経歴書の添削や選考対策としてキャリアプラン設計を手伝ってくれるでしょう。
ただし、転職を前提にしたサポートになるため、「今すぐ転職を考えていない」という人に対して手厚くサポートしてくれるとは限りません。
転職エージェントは無料で利用できるというメリットもありますが、転職が決まらないと売上が発生しないビジネスモデルのため、注意が必要です。
また、担当してくれるキャリアアドバイザーによって支援も変わってくるため、複数のエージェントに登録してみると良いでしょう。
おおすめの転職エージェントについても紹介しています。
まとめ
営業のキャリアプランについて解説してきましたが、本記事でとくにお伝えしたかったことは、3点です!
- 営業のキャリアには選択肢が多い
- キャリア迷子にならないために、キャリアプランを設計することが重要
- キャリアに迷ったら一人で抱え込まない
営業職には様々なキャリアプランがあります。新規営業もあればIT業界での企画営業等、様々な仕事があるため、戦略的にキャリア設計していくことが重要です。
キャリアプランを考える際、一人でうまく考えられないこともあるでしょう。その時は、会社の人やキャリアコーチング、転職エージェント等のキャリア形成について知見のあるに人相談するのも手です。
本記事で紹介した内容が、営業でキャリアに悩んでいる方にとって少しでも参考になれば幸いです。