「インサイドセールスに興味があるけど、向いていないのではないか?」
「インサイドセールスってどんな人が向いているの?」
この記事はそんな疑問をお持ちの方向けに書いています。
私はインサイドセールスで一定の成果を残した経験がありますし、インサイドセールスとして働く同僚を数多く見てきました。
インサイドセールスは未経験でも挑戦しやすい一方、向き不向きがある職種でもあります。
この記事では、インサイドセールスに向いている人や不向きな人の特徴について紹介します。
企業の採用担当者を話す機会も多く、企業目線でどんな人が活躍するのかについても解説していきます。
インサイドセールスに興味がある人は参考にしてみてください!
インサイドセールスの専門家は少ない
近年インサイドセールスの需要が高まりつつあります。
しかし、インサイドセールスという職種が注目され始めたのはここ数年のため、インサイドセールスのプロフェッショナル人材は少ないのが現状です。
インサイドセールスを取り入れている企業はもともと少なく、近年増加傾向にあります。
HubSpot Japan実施『日本の営業に関する意識・実態調査』で以下のような調査データも出ています。
- 日本国内での導入率は36.4%
- 導入企業のうち、直近1年以内に導入した企業は46.9%
SaaSビジネスやサブスクリプション型のビジネスモデルの台頭によって、分業制の営業組織を立ち上げる企業が増えていることもあり、インサイドセールスの需要が伸びています。
需要は今後も伸びていく
dodaの調査によると、インサイドセールス・カスタマーサクセスの求人数は急増しています。
以下のグラフを見ての通りで、企業側の採用ニーズも増していきます。

2019年1月段階と比較して、2021年7月では約7.4倍に求人数が伸びているのです。その背景には、コロナ禍による営業手法の変化やSaaS系企業の成長があると考えられており、今後もさらに拡張していくことが予想されます。
引用:doda|求人数は2年半で約7.4倍に。IT・インターネット以外の分野でも注目されている
人材業界で法人営業をしていますが、企業の担当者や経営層と話していると「人手が足りないから営業組織の生産性を高めたい」「分業制にして効率化したい」というニーズが増えていることを実感しています。
インサイドセールスのニーズ自体が高まっているため、インサイドセールスとしてキャリアを歩むことで市場価値を高めていくことができるでしょう。
インサイドセールスに向いている人の特徴
インサイドセールスは未経験でもチャレンジしやすいと職種ですが、活躍する人や成果を残す人には特徴があります。
20代の若手をインサイドセールスとして採用する企業が多いですが、インサイドセールスとしてのスキルより定性的な部分を重視して採用する企業が多いです。
私自身、営業代行会社で2社インサイドセールスを経験し、人材系の会社でもインサイドセールスを経験してきましたが、営業未経験で活躍している同僚もたくさん目にしてきました。
企業の採用担当者からよく聞く要件や私の実体験も踏まえると、以下の特徴を持つ人が活躍する傾向があるでしょう。
- コミュニケーション能力が高い
- すぐに行動に起こせる
- 業務効率化が得意
- 情報収集欲が強い
- PDCAを高速で回せる
- 数字に強い
それぞれの特徴を持つ人がなぜ活躍するのかについて解説していきます。
コミュニケーション能力が高い
インサイドセールスは非対面の営業をおこなうポジションのため、コミュニケーション能力が高い人は活躍することができます。
コミュニケーション能力の中でも、傾聴力が重要になります。
電話越しで相手の声色や発言に注意してコミュニケーションを取ったり、画面越しで相手の表情からニーズを察する必要があるためです。
また、電話であれば会話できる時間も限られているため、相手が知りたいことを端的に伝える能力も必要になります。
すぐに行動に起こせる
インサイドセールスの業務では、基本的に電話やメールでコミュニケーションをとっていきます。
アポイント獲得数が目標になることが多いですが、目標達成するためには一定の行動量が必要になります。
私がインサイドセールスをやっていた時の行動量は以下の通りでした。
- 50件の架電
- 50~100通のメール送付
インサイドセールスは顧客へのアプローチ回数が多い分、断られることが多く精神的にしんどいと感じることもあります。
そんな時でも、モチベーションをコントロールして行動量を担保できる人はインサイドセールスに向いているでしょう。
私の同僚で目標200%達成していたメンバーは営業未経験でしたが、1日の行動量がチーム平均の1.5倍水準でした。
業務効率化が得意
インサイドセールスの業務内容としては電話やメールでの顧客折衝がメインになりますが、業務内容はある程度定型化されます。
ざっくりとした1日の仕事の流れは以下の通りでした。 かけ先のリストアップ→電話→メール→振り返りと翌日のかけ先確認
そのため、業務フローの中で効率化できる部分は効率化し、より顧客へアプローチする時間を担保することが重要です。
私が意識していたのは以下の2点です。
- アプローチする顧客の優先順位を管理する
- 多くの顧客へ網羅的にアプローチするためにツールを活用する
単に営業スキルが高いだけでなく、業務効率化の能力も問われるのがインサイドセールスの特徴の一つです。
好奇心が強い
インサイドセールスとして活躍している同僚を見ていると、全員共通して【好奇心が強い】という特徴がありました。
とくに営業未経験でインサイドセールスにキャリアチェンジした同僚は、よく以下の行動をとっていました。
- 他のメンバーの会話データを聞き、自分に取り入れる
- 業界動向等の情報を積極的に収集し、顧客へのアプローチに活用する
インサイドセールスはフィールドセールスと違って1顧客あたりの顧客折衝時間が短いため、短時間で関係構築をする必要があります。
その際、インプットした知識を活かしたりトッププレイヤーのエッセンスを取り入れることがポイントになります。
PDCAを高速で回せる
電話やメールで多くの顧客にアプローチしていく中で、アポイントが取れる回数よりも断られる回数の方が多くなります。
1日50件電話してアポイントが1件も取れない日もありました。
成功回数よりも失敗回数が多いという条件において、いかにPDCAを回せるかが活躍するために重要です。
業務に慣れてくると電話やメールを定型的にこなすだけになりがちですが、しっかり振り返りをした上で改善策を考え実践するというサイクルを回すことで、圧倒的なスピード感で成長することができます。
分析が得意
インサイドセールスは顧客に関するデータを集め分析することで成果に繋げることもできます。
実際に営業能力はそこまで突出しているわけではないものの、データ分析が得意で成果を出しているメンバーもいました。
そのメンバーはアポイント獲得率が高い業界を分析したり、成果が出ているメンバーの話し方やトーク内容を分析することで成果に繋げていました。
顧客に関するデータや自分の営業活動に関するデータを分析できることはインサイドセールスとしての強みになるため、分析が得意な人はインサイドセールスに向いているでしょう。
インサイドセールスに向いていない人の特徴
インサイドセールスに向いている人の特徴について解説してきましたが、向いていない人にも特徴があります。
スキル面よりも定性面で向き不向きがある職種だと思いますが、以下の特徴を持つ人は苦戦している印象があります。
- コミュニケーションやヒアリングが苦手
- 失敗経験が少なく受け身のスタンス
- フィードバックを素直に受け入れない
- 完璧主義である
- 好奇心が弱い
インサイドセールスが辛いと言われる理由も解説しています。
コミュニケーションやヒアリングが苦手
インサイドセールスは非対面の営業を行う職種のため、コミュニケーション能力やヒアリングが苦手な人は苦戦する傾向があるでしょう。
例えば、電話時間が10分程度だとして、限られた時間内で顧客のニーズをヒアリングし、自社サービスの特徴を端的に伝えていく必要があります。
コミュニケーションが苦手だと、短時間で相手のニーズに合わせて提案することが難しいでしょう。
また、営業経験があっても自分ばかり話をする営業スタンスの場合も注意が必要です。
どれだけプレゼンや話し方が魅力的でも、相手のニーズからズレてしまうと成果につながりません。相手のニーズを汲み取るコミュニケーション能力が重要です。
失敗経験が少なく受け身のスタンス
失敗経験が少ない人や言われたことだけをこなす受け身のスタンスの人はインサイドセールスに向いていないでしょう。
どれだけ優秀なインサイドセールスでも、100件電話して100件アポイントを獲得できる人はいません。
必要以上に失敗を恐れず、失敗を活かして改善していくというスタンスで業務に臨むことが重要です。
また、行動量が成果に直結しやすいという特徴もあるため、受け身ではなく能動的に仕事に取り掛かれるかも必要になります。
フィードバックを素直に受け入れない
プライドが高い人や周囲からのフィードバックを素直に受け入れられない人はインサイドセールスに向いていないでしょう。
インサイドセールスでは上手くいかない回数の方が多いですが、周囲からアドバイスやフィードバックをもらうことに抵抗がある人は成長速度が遅い傾向があります。
周りの人の客観的な意見を取り入れ、柔軟に自己変容できる人が活躍できます。
また、顧客のニーズや市場動向等は常に変わり続けるため、「自分が正しい」と固執してしまうと顧客のニーズを把握することもできず魅力的な提案をすることもできないでしょう。
完璧主義である
インサイドセールスの役割や業務内容は日々変化するため、柔軟性に欠ける人や完璧主義の人はインサイドセールスに向いていないでしょう。
インサイドセールスは顧客と最初に接点を持つポジションになるため、顧客の状況や市場からの影響が大きくなります。
外部要因が大きい中で臨機応変に業務をこなすことが求められるため、完璧主義でスピード感が遅い人は向いていないでしょう。
まとめ
インサイドセールスに向いている人や向いていない人の特徴について解説してきました。
特にお伝えしたいのは以下の3点です!
- 未経験でも活躍しやすい
- インサイドセールスで活躍するには定性的な部分で向き不向きがある
- 向いていない人でも改善すれば活躍できる
インサイドセールスは比較的新しい職種で今後も需要が増え続けることが予想されます。
インサイドセールスに向いている特徴に当てはまる人は、インサイドセールスとしてのキャリアを考えてみても良いでしょう。
また、向いていない特徴に当てはまる場合、改善することで活躍できるため、意識して業務に臨んでみてください!