「ルート営業ってきついの?新規営業よりは楽?」
「ルート営業ってどんな人に向いてるの?」
ルート営業という言葉を耳にすると、きつそうと感じる人もいれば、楽そうなイメージをお持ちのの人もいるのではないでしょうか?
私も新卒で保険会社に入社し、代理店に対してのルート営業を経験しました。
ルート営業には同じ顧客と向き合うためスタイルの営業で、特有の難しさや仕事の辛さがあります。
新規営業等の一般的な営業と異なり、人によって向き不向きが分かれる営業職です。
そこで、本記事では特に20代のキャリアに悩む営業に向けて、ルート営業を「きつい」と感じる理由や向いている人の特徴について解説していきます。
【本記事で分かること】
- ルート営業がきつい理由
- ルート営業の魅力や身に付くスキル
- ルート営業に向いている人
ルート営業に興味のある人やルート営業への転職を考えている人は、本記事を読むことで自分がルート営業に向いているかを理解できるはずです。
キャリア形成のヒントにもなると思いますので、ぜひ最後までご覧ください。
ルート営業の仕事内容
ルート営業の特徴は、決まった顧客を定期的に訪問し、継続的にフォローや提案をする点です。そのため、個々の顧客との長期的な信頼関係の構築が必要不可欠です。
以下の業界でルート営業として活躍することができます。
- メーカー
- 医療
- 食品
- 保険
- 自動車
- 人材
ルート営業では同じ顧客との顔合わせが続く中で、新規営業ほどの目新しさがなく、飽きが生じやすいのが現実です。また、顧客の信頼や期待を裏切らないためには、高い品質のサービスを提供し続けなければならず、無意識にプレッシャーがかかる側面もあります。
私も保険会社に勤務していた際は、ルート営業(代理店営業)に従事していましたが、時には御用聞営業の様なこともしていました。
自社の商品やサービスの深い理解を持つことはもちろん、顧客ニーズを細かに分析したり提案力を高めることが重要です。
同じ業務内容になりがちだからこそ、継続的に自分のモチベーションを保つスキルも必要です。
次の章からは、ルート営業がきついと言われる理由について解説していきます。
ルート営業は特有のキツさ
ルート営業の「きつさ」には特有のものがあります。
同じ顧客に対して定期的に訪問し、毎月一定の成果を上げることが求められます。新規営業と比べると達成感を感じにくい側面があります。
私もルート営業をしてきた体験も踏まえると、きついと感じる点は以下の4つです。
- 業務に飽きる
- 成果を上げづらい
- 顧客からの要望が多い
- キャリアアップが難しい
しかし、そのきつさを理解し、適切に対処することがキャリアアップの鍵となります。
業務に飽きる
ルート営業を「きつい」と感じる理由の一つに、業務がルーチン化してしまい飽きが来るという点が挙げられます。同じクライアントと顔を合わせることは、多くの営業にとってルーチンワークとして捉えられ、刺激が少なく、モチベーション低下の原因となることがあります。
私が保険会社で営業をしていた時は、定期的に訪問し、定例会議をしたり時には雑談だけして帰るということもありました。
日々の業務に創意工夫を取り入れ、業務をどのように改善できるかを考え実行することで新しい学びを得るように意識しましょう。
成果を上げづらい
ルート営業は、すでに取引がある顧客に対して営業をしていくため、売上が爆発的に上がるということが少ないです。とは言え、毎月の目標があるため、思うように成果が上がらないと精神的なプレッシャーが増えるでしょう。
時には商品やサービスに対するクレームや厳しいフィードバックをもらったりと、ルート営業ならではのつらさもあります。
同じような提案や営業活動をするだけでなく、日々新しいアプローチを試すことも重要です。
また、顧客のニーズに対して仮説を立てる等の事前準備を徹底することで、提案力を向上させることもできます。
例えば、営業手法に関する本を読んで、訪問時にアウトプットしてみる等の些細なアクションをとってみてください。
このように、営業において粘り強く工夫し続けることで、ルート営業のきつさを和らげることが可能になります。
顧客からの要望が多い
ルート営業では、顧客の多様なニーズに対する柔軟性が求められます。
すでに関係性があったり継続的に取引をしているからこそ、無理な要望を受けることも少なくありません。
特に、新しいチャレンジが少ないと感じられる状況では、顧客の御用聞ばかりでつまらないと感じてしまったり、自らの成長が停滞しているように思ったりします。
このような状況では、自己成長の機会を自ら作り出すことが重要です。
例えば、ルート営業業務の中での課題を自己設定することで、自分自身の弱点を洗い出し、それを克服するための計画を立てることが挙げられます。その過程で得られる学びは、モチベーションの維持に貢献します。
また、ルート営業先のクライアントに対して、コミュニケーションを通じて新しい情報を常に吸収するスタンスも重要です。
顧客からの要望に対応するだけでなく、顧客にヒアリングをしたり色々な情報を吸収するように意識すると良いでしょう。
私が新卒の時は父親ぐらい年の離れた顧客に営業していたため、「業界のことについて勉強させてもらおう」というマインドで仕事をしていました。
キャリアアップが難しい
ルート営業に慣れてくると業務がマンネリ化してしまうでしょう。
同じ営業活動をこなすだけでは、自分のスキルアップや成長が止まってしまいます。
業界によっては決まったルートを回るだけになってしまい、顧客の状況に変化もなく退屈さを感じることがあるかもしれません。
また、新規開拓営業のように試行錯誤したり新しい提案にチャレンジする機会も少ないため、経験を積むことが難しい環境でもあります。
そこで、営業職としてのスキルアップするために自己研鑽に励むと良いでしょう。
例えば、営業スキル向上のために外部のセミナーやトレーニングに参加することで、新たな知識を吸収し、実務に活かすことが可能です。また、先進的な営業手法や技術を取り入れ、自身の営業スタイルをブラッシュアップすることも重要です。
どうしてもキャリアアップや成長が難しいと感じるの場合、ルート営業の仕事で培った顧客管理力を活かし、新しい領域に挑む社内異動や転職を視野に入れても良いでしょう。業界や職種を変えることで、視点が広がり、ルート営業での経験が新たなフィールドで役立つ機会があるかもしれません。
ルート営業で得られるスキル
ルート営業は「きつい」とされますが、日々の業務への取り組み次第でスキルアップすることもできます。
自分の工夫や業務へのスタンス次第で、以下のようなスキルを身につけることができます。
- コミュニケーション能力
- 深耕営業スキル
- 業界知見
コミュニケーション能力
ルート営業を通じて得られるスキルは数多く存在しますが、その中でもコミュニケーション能力を磨くことができます。
ルート営業では顧客との信頼関係が必須のため、コミュニケーションをイヤでも取る必要があります。定期的に訪問することで、顧客のニーズを深く理解し、彼らの視点に立った提案ができるようになります。このスキルは他の営業職やビジネスの場面でも大いに役立ちます。
深耕営業スキル
ルート営業を通じて深耕営業のスキルや課題解決能力が鍛えられます。
新規営業と違って、1顧客に対して深いコミュニケーションを取ることができるため、より顧客の課題解決に伴走することができます。
また、新規営業ではできないアップセルやクロスセルの提案をする機会もあります。
深耕営業のスキルを磨くことで、エンタープライズ営業やカスタマーサクセスへのキャリアチェンジも可能になるでしょう。
業界知見
ルート営業では、同じ業界の顧客と継続的に取引をするため、業界知識や商材の周辺知識を深めることができます。
新規営業の場合、商談相手はさまざまな業界の顧客になることが多いですが、ルート営業では同業界での営業になります。
そのため、業界のスペシャリストとしてのキャリアを歩むことができます。
ルート営業のキャリア
ルート営業のスキルを次のキャリアステップでどのように活かすかは人それぞれですが、他の営業職にチャレンジしたり、業界内転職をしてキャリアを形成していくことが多いです。
まず、培ったコミュニケーション能力を組織内外での交渉や調整に活かすことができます。さらには、顧客に対する提案力を広げ、新規開拓営業やマーケティング分野での活躍にも繋がります。
ルート営業から理想のキャリアを形成するためには、まずは自己分析を行い、ルート営業での経験が他領域にどのように転用できるかを考えることが重要です。
試行錯誤を恐れず、様々な経験を積むことで、次のステップへと進む力を養ってください。
ルート営業の魅力
ルート営業がきついと言われる理由について解説してきましたが、ルート営業ならではの魅力もあります。
具体的には、以下のような魅力があります。
- 新規営業をしなくて良い
- 新規営業ほど予算が高くない
- 売上が安定しやすい
それぞれについて解説していきます。
新規営業をしなくて良い
ルート営業の最大の魅力の一つは、新規顧客を獲得するための冷や汗をかく場面が少ないことです。
新規営業とは違い、ルートセールスは既存の顧客と関係を維持し、サポートを提供することに重点を置きます。
そのため、新規営業のようなプレッシャーは少なく、安定した業務を続けることができます。
このスタイルは、人と長く深く関わることが得意な方にぴったりです。
ただし、ルート営業であっても新規開拓もしないといけない企業もあります。
人材サービスの営業をしていると、ルート営業のような既存営業だけでは売上が頭打ちになり、顧客の新規開拓に注力したいと考えている企業も少なくありません。
企業によって営業戦略が異なり、そこに紐付いてルート営業の役割も変わる点には注意が必要です。
新規営業ほど予算が高くない
ルート営業では、予算設定が比較的穏やかであることが多いです。
新規営業ほど数字が跳ねることがあまりないため、既存顧客への営業は売上予測がしやすく、予算も慎重に立てられる傾向があります。
予算達成を目指すプレッシャーから少し解放され、顧客への対応に集中できる環境が整っています。
営業は好きだけどノルマに追われたくないという人には向いているでしょう。
売上が安定しやすい
ルート営業の醍醐味と言えば、売上の安定が期待できることです。
既存の顧客と良好な関係を築いていれば、急激な売上変動が少なく、安定した成果を残すことができるはずです。
安定して成果を残すためには、顧客のニーズをしっかりと把握し、適宜フォローアップをすることで、長期的な信頼を築けるのが重要です。
ルート営業に向いている人
ルート営業は、既存顧客との信頼関係が重要な営業職です。
特に以下のような人はルート営業として活躍することができるでしょう。
- 気配りができる人
- 顧客と関係構築ができる人
- 業界に詳しくなりたい人
それぞれについて解説していきます。
気配りができる人
ルート営業は顧客との長期的な関係を維持するため、細やかな気配りが重要なスキルです。
日々のやり取りで小さな変化に気付くことができ、お客様のニーズを先回りして察知する力が必要です。
細かい配慮や気配りの積み重ねで顧客から信頼されますし、信頼されればビジネスチャンスにもつながります。
時には顧客から無理な要望をされることもありますが、常に相手のニーズや困り事を注視できる人はルート営業に向いているでしょう。
顧客と関係構築できる人
しっかりとした人間関係を築ける能力は、ルート営業に向いています。
顧客とのコミュニケーションを通じて信頼を深め、長期的なパートナーになることがこの仕事の成功の鍵と言えるでしょう。
顧客によっては、商品の良し悪しで取引先を決める人もいれば、担当者との関係性によって仕事を発注してくれる方もいます。
私が保険の代理店営業をしていたときは、「他社の保険商品の方が儲かるけど、頑張って営業してくれるから御社の商品メインでやるよ」と嬉しい言葉をいただいたこともありました。
営業は人と人のコミュニケーションのため、関係構築能力が高い人はルート営業として活躍できるでしょう。
業界に詳しくなりたい人
ルート営業は、一つの業界に深く携わる機会が多いため、業界の知識を自然と身につけることができます。
同じ業界の複数の顧客と取引をするのであれば、顧客とのコミュニケーションの中で知識を吸収することもできます。
業界内のスペシャリストとしてキャリアアップしたい人や業界に詳しくなりたい人はルート営業が向いているでしょう。
ルート営業がきついなら転職も視野に
ルート営業は一見安定しているように見えますが、人によっては向かない場合もあります。
もしルート営業がきついと感じるなら、転職を考えるのも選択肢の一つです。
自分に合った環境で働くことは、長期的なキャリアを考えるうえで非常に大切です。
営業職としての他の道に進むことで、新たな可能性が開けるかもしれません。
今の仕事に向いていないと感じるのであれば、思い切って新しい挑戦をしてみましょう。
まとめ
ルート営業やルートセールスの世界で感じる「きつい」とされる側面は、時にキャリアの方向性に迷う要因となります。
しかし、ルート営業ならではの魅力や成長機会も存在します。
まず、ルート営業の重要な役割は既存営業を通じて顧客との信頼関係を構築し、長期的なビジネスの安定を図ることです。
日々の営業活動を通じて、コミュニケーション能力や業界知見を深める機会が得られます。
また、新規営業のプレッシャーが少ないため、自分のペースで成長を追求できる点も大きな特長です。
一方、もしこの環境が自分に合わない、キャリアアップの道が見えにくいと感じる場合は、転職も検討すると良いでしょう。自分のスキルや経験をどう活かすか考え、他の選択肢にも目を向けることで、より自分に適したキャリアパスが見えてくるかもしれません。
ルート営業での経験は多くの業界で役立つため、自信を持って次のステップに進みましょう。
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